基 調(2005年4月17日)
「泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」は1972年の発足以来、新空港の自然環
境に与える悪影響や軍事空港に利用される危険性、何よりも新空港の持つ非効率性と非民
主主義性を訴え続けてきた。そしてこれらの矛盾と負担は、全て地元住民、市民、国民が
担うことになることを明らかにし運動の基本理念にかかげて闘ってきた。我々の反空港運
動が発足して33年が経過しようとしているが当初掲げてきたこの基本理念は、現在も変
わることはない、むしろ社会的にも経済的にも我々が掲げてきた反空港運動の基本理念の
重要性と緊急性が増して来ていると言える。
まず、スローガンの一つである「泉州をアジア再侵略の拠点にさせるな!」という軍事
利用の観点から関空会社の犯罪性を糾弾しなければならない。国連を無視した米国のイラ
ク侵攻から2年。アメリカを積極的に支持し憲法を無視して自衛隊まで派遣した小泉内閣
は、本年2月、陸上自衛隊第5次イラク派兵部隊の出発に伴い自衛隊の物資、機材を関空
からイラクの前線基地であるクエートに秘密裏に空輪されていた事実が判明したのであ
る。私たち住民連絡会は、関空が軍事利用される危険性を事前に察知し「関西空港の軍事
使用反対申し入れ」を文書で行うと共に関空会社との直接交渉で「軍事使用はしない」と
の確約を取り付けていたにもかかわらず、関空会社は自衛隊物資を民間物資に偽装して強
行していたのである。これらのなし崩し的な関空の軍事利用に抗議すると同時に改めて住
民を無視し欺く関空会社の対応に怒りを表明するものである。
もうひとつのスローガンである「泉州の自然と生活を破壊する関西新空港絶対反対!」
の観点から環境面と経済面からも現状の航空行政を批判しなければならない。関西新空港
が開港して10年が経過した今日、関空周辺の土壌、大気、水質どれを取っても改善され
てきている環境にはない。さらに完成間近とされる二期工事は環境悪化に追い討ちをかけ
るのは必至である。地球温暖化防止のための京都議定書に批准し発効させた日本は、19
90年を基準とした二酸化炭素量(CO2)を6%まで減らさなければならないことを国際
的に約束しているが、現状の強引な空港建設ラシュだけを見ても真剣に取り組もうとして
いるとは到底思えないのである。今こそ総合的な環境対策(CO2削減策)を空港問題を
通して根本的な解決策を提起しなければならない時期にきている。
現在強引に建設が進められている神戸空港の開港が来年2月と言われている。予定通り
進むと狭い大阪湾上空域に関西空港、伊丹空港と合わせた三空港がひしめき合うことにな
る。さすがに機長らでつくる組合も世界一危険な空域と悲鳴を上げている現状がある。
泉州沖に空港を造らせない住民連絡会は、毎年春と秋の年2回地元で反空港の集会を
持ってきた。集会の度に指摘してきた欠陥空港の大きな要因に財源問題があることを改め
て確認しておく必要がある。民間空港であるにもかかわらず、毎年膨大な税金をつぎ込ん
でかろうじて経営、運営が維持されている空港会社の実態を見過ごしてはならない。
空港会社の財政、経営上の構造的矛盾とその実態についてこの場で詳しく述べることは
紙面の関係で控えざるをえないが、空港建設をはじめ全ての大型公共事業が経済界と政治
家の道具とされてきた歴史をふまえ、この地に生き生活する私たち住民が主体となり決定権を持つ真に民主的な社会をつくっていくためにも全国の住民運動、反空港を闘う仲間と
協働、連帯して闘うことを表明して本日の集会基調の報告とする。
2005年4月17日