関西空港の軍事使用に抗議する

関西国際空港株式会社 社長
村山 敦殿
泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会
代表 若野正太郎



去る2月3日、自衛隊第5次イラク派兵に伴う自衛隊員の物資を関西空港からクエート
に輸送したことに対し、改めてここに抗議をする。
併せて2月14日に申し入れた次の2点に対する回答がいまだに無いことについても、
地元住民を無視するものとして断じて許すことは出来ない。

(1)貴空港会社は、今回の輸送業務を担った日本通運を通じ、アントノフが輸送した
物資の品目調査を直ちに実施すること。

(2)貴空港会社は、調査終了次第、そのリストを速やかに公表すること。

われわれ「 泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」は、岡山空港が自衛隊の物資輸
送を拒否したことを受け、関西空港が輸送の対象となることに鑑み、1月28日、軍事物
資の輸送を行わないよう要求した。
その際は、「現在のところ輸送依頼の届けは無い」とのことであった。そこで、「届出
があった際は、速やかにわれわれに連絡するよう」申し入れておいた。
しかるに、貴殿は、われわれ現地住民への連絡もなく、2月1日の日本通運による「物
資の輸送依頼」を受け、同月3日、18時30分頃アントノフによる自衛隊の物資輸送を
強行したのである。

また、この事実を受け再度われわれが「空港の軍事使用拒否」を申し入れた2月14

日、貴社の対応は、「輸送依頼の物資は、一般貨物と認識したので通常の物資と同様に
扱った」と言うばかりか、物資が何であったのかについては一切明らかにしなかったばか
りか、「確認していない」とのことであった。「確認」もせずに、「輸送された物資」に
「武器・弾薬は含まれていない」とする根拠は何なのか?また、例え武器・弾薬が含まれ
ていないとしても、イラク派兵部隊の物資を輸送した以上、空港を軍事使用したことに変
わりは無い。

言うまでもないことだが、兵站、後方支援といえども軍事行動に代わりが無いことは、
過去、全ての戦争で明らかになっている。それどころか、兵站、後方支援は、戦闘を維持
するうえでより重要性が高い。そういう意味では今回のクエートへの輸送物資が仮に自衛
隊の食料や衣料等といった「単なる補給物資」だったとしてもとうてい看過できるもので
はない。自衛隊の派兵は憲法違反であるし、そもそも自衛隊そのものが憲法違反なのであ
る。 今回の、米英によるイラク侵略戦争は、国際法にも違反をするとんでもない悪業であ
る。米の、国連ならびに国際関係を無視した世界制覇の野望を満足させるためだけの侵略
戦争なのだ。小泉内閣は、口では「多国間主義」を唱えながら「日米同盟」のみをにらん
だ政策を推進している。「周辺事態法」「イラク特措法」「有事関連法」を矢継ぎ早に強
行成立させ、「イラクへの自衛隊派兵延長」も主権者の国民を無視して強行された。さら
に、徴兵制度を見据えた「非常事態対処法」の成立をもくろんでいる。

このような状況下において、民間空港である関西空港が、軍事使用を拒否することは、
空港島で働く人々や関西空港利用者の安全を確保するうえからも 当然のことであり、責
務である。また貴殿は、社員に対する教育において「空港の軍事使用は何であるか。武
器・弾薬を輸送することだけが軍事使用ではないんだ。」ということを浸透させる責務を
おっている。
今まで、為政者におもねって運営されて来た関西空港ではあるが、ここらで、民間空港
会社として独自の社風を打ち立てていただきたい。このことが「関西国際空港株式会社
法」により強く要請されている事項である。

さらに、この5月には、第6次の自衛隊派兵が予定されている。第6次は、伊丹総監部を
主体とした関西部隊が中心と言われている。これに伴う人員や物資輸送が再び関西空港に
打診される可能性も否定できない。
人員や物資輸送の打診が有った場合、先に述べた理由から、貴空港会社は「関西空港は
軍事使用は認めない」と毅然たる態度で臨んでいただきたい。
そして貴殿は、「関西空港を軍事使用した」ことについて真摯に反省し、前記(1)及び
(2)項の履行状況の公表と共に『今後一切関西空港の軍事使用を拒否する』ことを明確
に表明されるよう強く申し入れる。
2005年4月17日