関西新空港の経過と問題性

泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会


2002年11月作成

[概 要]    
1期事業費マ1兆4500億円(滑走路3500m 2期マ1兆5600億円(4000m)
工期 マ約年7ヶ月   マ約8年+α
広さ マ510ha(甲子園球場130個分)   マ540ha
埋立土砂量 マ1億7800万立方m(ピラミット73個分) マ2億5000万立方M(水深約22m)

これまでの主な経過
(★関西新空港関連 ☆他の関連事項)
★62・6 「関西第2空港必要論」浮上
☆66・5・28 淡路島新空港構想発表
★68・4 運輸省、8候補地調査開始
☆70・2 伊丹空港B滑走路供用開始
★〃・2〜 泉州自治体新空港反対決議
★〃・10・13 航空審、4候補地にしぼる
★〃・11・28 実機騒音テスト強行開始
★72・8・6 泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会 結成
☆73・10・2 瀬戸内法立法
★74・8・13 航空審、第1次泉州沖案答申
☆75・11・27 大阪国際空港騒音公害訴訟控訴審判決(住民側全面勝訴)
★77・6・7  観測基地強行着工
☆78・5・8  成田空港出直し強行開港
★79・9〜  泉州自治体、反対決議撤回
★80・9・1  航空審、第2次答申提出
★81・4・27 塩川運輸相、3点セット提示(空港計画、アセス、地域整備)
☆〃・12・16 大阪空港訴訟最高裁判決
★82・1・8 運輸省、ボーリング調査開始
★〃・7・8  田中角栄、「軍事空港」発言
★83・4・21 運輸省、貝塚現地事務所開設阻止闘争、6名不当逮捕
★84・10・1 空港会社発足(民活第1号)
★86・3・4  4・21 弾圧1審判決(有罪)
★〃・4・18 漁業補償、250億円で妥結
★〃・11・28 地元議会、埋立議案強行可決
★87・1・27 関西新空港強行着工
★〃・3・27 りんくうタウン工事着工
★〃・4  工事海域で海洋汚染発生
★88・1・18  空港会社、夜間工事強行開始★〃・1新空港砂利船汚職発覚
★〃・4・19  控訴審判決=逆転無罪
★〃・10・2  地元泉南市議選当選勝利
★89・4・14  連絡橋設置工事開始
★〃・6・16  大阪府阪南町土取り開始
★90・1・8 IATA、陸上飛行要求
★〃・2  空港島、異常地盤沈下判明
☆〃・7・18  「11市協」、伊丹空港存続発表
★〃・8・7  新空港ビール券訴訟開始
★〃・10・5  空港会社、開港予定延期発表
☆91・1・17  湾岸戦争突入
★〃・12・13 空港島埋立工事終了
★92・5・ IATA、陸上飛行再度要求
★〃・12・9 管制塔完成
★93・8・21 反空港全国ネット提唱
★94・6・4 ターミナルビル完成
★〃・8・27 開港阻止連続闘争突入
★〃・9・4 関西新空港開港
☆95・1・17 阪神大震災
★96・11・22 新空港ビール券訴訟(勝訴)
★97・1・21 陸上飛行専門家会議始まる
★〃・10・30 軍、関空強行上陸
★98・2・9 陸上飛行実機テスト始まる
☆〃・7・6 香港新空港開港
★〃・12・3 陸上飛行強行開始、差止提訴
★99・7・14 関西新空港2期着工
☆〃・9・13 神戸新空港着工
☆〃・10・1 上海・浦東新空港開港
☆00・1・23 羽田B滑走路供用開始
★〃・2・29 陸上飛行訴訟審判決(敗訴)
☆〃・8・1 中部新空港着工
★01・3・27 大阪岬町、2期土取り開始
☆〃・3・29 韓国・仁川新空港開港
☆〃・9・11 米東海岸で9・11事件 発生
★〃・11・23 反空港全国連絡会結成
★〃・11・29 新陸上飛行強行開始
☆02・4・18 成田、暫定滑走路供用開始
☆〃・8・238 空整中間報告


問題性
1960年代、米軍のベトナム戦争介入により、大阪伊丹空港では戦闘機の往来が激しくな
り空港の拡張が開始された。同時に「関空第2空港の必要性」が提唱され、これが関西新空港計画の発端となる。当初は、4000メートル級滑走路3本を有する全体計画として構
想されて来たが、地元泉州住民にとっては、高度成長期の堺・泉北コンビナートに続く
公害の再来でもあり、必然的に受け入れられる代物ではなく、反対運動が大々的に取り
組まれて来た。

その後、80年代の財源難渦中、悪名高き中曽根の政治判断により「民間活力」導入
が打ち出され、その第一号として空港会社が発足する事になった。その間、地元泉州住
民の反対の声を封殺して来たばかりではなく、「大阪空港の廃止を前提に」という建設
条件を反故にし、騒音公害に苦しめられて来た大阪空港周辺住民をも蹂躙して来たので
ある。同時に自然・生活破壊の最たるものとして、瀬戸内海環境保全特別措置法にも違
反する列島改造型事業の典型でもあった。

しかし、「ハブ空港」や「バラ色の繁栄」だのと言うおいしい謳い文句とは裏腹に、
その実態は「豆腐の上に金塊を乗せる」あやふやなものであり、中身は「みんなでやれ
ばこわくない」式のゼネコンの温床と、今も化している。着工はバブル経済のド真ん
中、開港時はバブル崩壊後というまさに最悪のパターンであり、人件費や資材の高騰な
どにより1期事業だけでも予定の1.5倍の1兆5000億円にも達している。20世紀最初で
最後と言われた水深18メートルの埋立工事は、世界が注視する中での一大海洋土木実
験であったが、もちろん机上の計算通りには行かず、沈下は当初の予測以上で現在も続
いている。

関西新空港計画は、伊丹空港の教訓から騒音公害を2度と出さないという姿勢と「ボタ
ンの掛け違いと言われた成田(三里塚)の失敗を繰り返さないために進められたはず
だったが、サラ金空港への転落で、中部からは「関西の失敗」とまで揶揄されている始
末である。そんな実態にもかかわらず2期工事は相変わらず続けられているが、現1期の
需要や就航状況にしても24時間空港を標榜したところで夜間はガラ空きであり、今や2
期推進の整合性はどの角度から見ても皆無である。

また大阪府推進の新空港便乗事業である「りんくうタウン」(320ha)や、土取り跡地
の阪南スカイタウン開発にしても、まだ半分以上が分譲出来ずに負債は膨らむ一方であ
り、両者ともにペンペン草の生い茂る荒野そのものとなっている。

このように関西新空港の抱える問題性はこれでもかという程あり、過去に露呈した分
だけでも列挙すると次のようになる。自然・生活破壊、土砂運搬船転覆事故、海洋汚
染、夜間工事、違法土砂採集、汚職、談合、恐喝、殺人未遂、漁業補償不正取得、騒音
や排ガス被害、アクセス公害等
枚挙に暇がないが、まとめると下記事項を今でも地元に
バラ撒き続けている。そして今や関西新空港計画は、航空行政にとって「お荷物」以外
の何物でもないが、さらにそれ以上に、将来に確実にツケを残すことになる「負の遺
産」
と化そうとしている。

◆「国策事業」=住民だましの新空港計画
◆自然生活破壊、地域破壊の元凶◆計画そのもののズサンさ&ペテン性
◆政界・財界の利権の温床
◆埋立沈下問題、大阪湾の海洋汚染
◆航空機騒音、低周波&アクセス公害
◆地場産業の崩壊
◆借金地獄=1億3000万円/1日の返済
◆空港経営計画のデタラメさ&破綻
◆飛行ルート&航空機事故の危険性
◆約束違反の「陸上飛行」問題
◆軍事空港問題=空港の抱える宿命
◆再侵略=1000海里シーレーン防衛拠点